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書評 関谷英里子 『同時通訳者の頭の中』 通訳メソッドを活かした英語学習法

2016年10月27日

英語学習が停滞していた頃、知り合いから同時通訳をされていらっしゃる関谷英里子さんの『同時通訳者の頭の中』を紹介していただいて、読もう読もうと思っていながらも数年間積ん読状態でした。もう一度、真剣に英語を勉強しようと思い拝読させていただきました。非常にわかりやすい構成で、同時通訳者の勉強の仕方は目からウロコでたいへん参考になり、最初から最後まで一気に読めました。中級者以上向けです。大雑把に書籍をまとめ自分の勉強の仕方も織り交ぜながらブログにしてみました。

通訳の仕事で重要なことは、話された瞬間に意味がわかり即座に対応できる力。それがイメージ力とレスポンス力です。この2つが同時通訳に必要とされる力です。

1.イメージ力 語幹やフレーズの意味、ニュアンスを捉える力

2.レスポンス力 文法や語彙を理解し、文法や語彙を駆使する力

たとえば、challengeと聴くと「挑戦する」という意味が頭に浮かびます。正しいのですが、challengeにはもうひとつの意味があり、ロングマン英英辞典では、このもうひとつの意味のほうが「挑戦する」よりも先に記載されています。

challenge- to refuse to accept that something is right, fair, or legal.

ex) a boy with a reputation for challenging the authority of his teachers

以上の定義から「権威に挑戦する」ではなく「権威に服従しない」という意味があることがわかります。ジョンレノンやボブディランは、challenge authorityです。

もうひとつイメージ力の例を挙げます。The 7 Habits of Highly Effective People(邦題『7つの習慣』)を読んでいて、コヴィー博士が強調しているのはempatheticでいること。このempatheticが曲者で、コヴィー博士が2011年に来日し講演した際にコミュニケーションにおいてもっとも必要なものは何かと聞かれ、「共感すること、忍耐すること、人と自分を比較しないこと」と要約された方がいらっしゃいました。実際、empathyを英和辞典を引くと「共感」となっていますが、ロングマン英英辞典ではthe ability to understand other people's feelings and problemsとなっています。つまり、日本的な人の話にその場だけ合わせる「共感」ではなく、人の気持ちや痛みを理解しようとすることです。(『7つの習慣』について詳しくブログを書きましたので、よかったらこちらをご参考ください。)

これがイメージ力です。

一方、レスポンス力は、単語を聴いた瞬間に意味が頭に浮かんだり文法を聴いて次に来る内容が何かわかったりすることです。英語学習をある程度していると、単語の使い方からだいたいどういう展開になるのかがわかってきます。これがレスポンス力です。

通訳に必要なイメージ力とレスポンス力は、インプットとアウトプットをしっかりやっておくと鍛えられます。英語はインプットだけでは身につかずアウトプットもしっかり行うことで話せるようになります。インプットとアウトプットをしっかり行っておくと、英語を聴いた瞬間に日本語の意味とイメージがひらめき、すぐに話せるようになりますよ。

イメージ力とレスポンス力をつけるための3つのステップ

1. インプット

2. アウトプット

3. 1と2のサイクル


インプットは、単語や熟語、言い回し、文法を覚えたり読んだり聴いたりすること。アウトプットは、覚えた英語を書いたり話したりすることです。とにかく暗記暗唱です。単語や文法を覚えるときは、単語だけを覚えるよりも例文といっしょに覚えると英語力が向上します。覚えるときは、間欠反復を応用するとすぐに覚えられます。記憶しても1日経ったら74%忘れてしまうため、学習は忘却曲線をいかに緩やかにするかにかかっていて、実は覚えるテクニックとコツがあるんですよ。

間欠反復を応用した学習方法

http://www.lifehacker.jp/2014/05/140520language.html

インプットの方法

1. 資格試験の単語や文法を含んだ例文を暗記暗唱する。

2. NYタイムズ英エコノミストなど海外の新聞を読む。

3. 洋書を読む。

4. BBC Podcastなど毎日、英語を聴く。

5. 映画のセリフをディクテーションする。

(注1) 中級者以上は、リーディングの多寡が英語力を左右するため、できるだけ多くの英文記事や洋書を読んでいくとよいです。

(注2) 英文記事を読むコツは、最初と最後に要旨が書かれているため最初と最後の段落を先に読み全体像を把握して、その後、面白そうなら中身を読んでいく読み方をすると効率的に自分の興味のある記事が読めます。リーディングをするときは、辞書を引かずに推測しながら読んでいき、ざっと読んだあと、推測した意味が合っているのか検証するときに辞書を引き、どれくらい自分の推測が正しいのか確認します。そして、もう一度、同じ記事を読みます。

アウトプットの方法(これがたいへん)

インプットをしたあとにアウトプットをしっかりすると英語力が向上します。インプットだけでは、あまり学習効果がありません。

1. シャドーイングをする

2. リテンションをする

3. パラフレーズをする

4. ディクテーションをする

5. SNSで使う言語を英語にする。

シャドーイングは、聴いた音声のあとをすぐに追うように復唱すること。リテンションは、文章の塊を聴いたあとに再現すること。パラフレーズは聴いた音声を別の言葉で言い換えること。これらは通訳の学校で教えられている内容です。いちばん効果があるのは、聴いた音声を書き取るディクテーションです。とくにリスニング力が向上します。普段、英語を日常的に使わなくても、SNSで使う言葉を英語に切り替えるだけでもよいアウトプットになります。

私が行っているインプットの勉強方法は以下の通りです。

1. リスニング

(a) BBC Podcast

ウォーキング中、もしくは通勤時間にBBC Podcastを聴きながら世界で起きているニュースを把握し、気になるニュースはBBC やNYタイムズでリサーチしています。リスニングが苦手でしたが、4ヶ月間、毎日、BBC Podcastを聴いていたら、だいたいどんなニュースかわかるようになりました(ブログ記事参照)。英語が読めるのに聴き取れないときは、圧倒的にリスニング不足なだけなので、できるだけ毎日、英語を聴くようにすると聴き取れるようになります。

(b) 映画のセリフのディクテーション

TOEICでほぼ満点を取ることができた友人が、映画のセリフのディクテーションを毎日やっていればすぐにリスニング力がつくとアドバイスをしていただいたので、これからディクテーションにも力を入れていきます。海外の映画DVDはeBayで購入でき、世界のあらゆるDVDが観れるリージョンフリーDVDプレーヤーはAmazonか楽天で購入できるので、頑張って映画全編をディクテーションしてみたいと思います。海外のDVDは英語の字幕がついているため、ディクテーションの答え合わせに便利です。(こちらは以前書いた映画を使った学習法のブログです。)

2. リーディング

(a)海外の新聞

大学生の頃にTOEICを何度も受験したものの、その後、何もしなく放ったらかしにして2015年に受験してみたら衝撃を受けました。あまりのセクション7の読解問題の多さに圧倒されてしまい、根本的に読解力と速読をゼロから叩き直そうと思い、NYタイムズや英エコノミストなどの海外の新聞を毎日5記事読み始めました。

ツイッターで海外の新聞のアカウントをフォローして気になる新聞のリストを作り、スキマ時間に読むようにしています。1年くらい海外の新聞を読み続けていたら、洋書がスラスラ読めるようになりました。忍者が高く飛ぶためにタケノコの上を飛ぶ訓練を毎日して、気づいたら高く成長した竹も飛び越えられるようになっていた逸話のように、難しい英語に慣れておくと知らない間に難しい書籍もスラスラ読めるようになっています。

(b)洋書

洋書を濫読しています。最近読んだなかでもっとも感銘を受けた洋書は、The 7 Habits of Highly Effective People  (邦題『7つの習慣』 )です。さまざまな勉強ができて英語力も伸ばせるのでお勧めです。どんな洋書を読めばよいのかわからない方のために、『ジャンル別 洋書ベスト500』 と『PB300―ワケありのペーパーバック300選完全ガイド』 を参考に洋書を選ぶとよいかもしれません。

TOEICの点数を伸ばすために英語を勉強しているわけではなく、通訳や翻訳、海外で生活しても問題ないくらいの英語力をつけることが目的で英語を勉強しています。『7つの習慣』のコヴィー博士が話されているように、最終的に目指すイメージを想像しながら英語の勉強をしていくと、本当に使える英語が身につくと思いますよ。

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