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記録的な訪日外国人観光客増加で日本経済に追い風(英エコノミスト誌)

2015年7月27日

日本政府がビザの発給条件を緩和したことから日本に観光に来るアジアからの観光客が増加して日本経済に追い風になっている模様です。ゴールドマンサックスでアナリストをしていたイギリス人のデービット・アトキンソン氏が、著書『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』の中で日本経済のどこに伸び代があるのか分析した結果、観光業が巨大な産業になりうると結論づけています。観光業が日本の基幹産業である自動車産業と同規模になるのかもしれません。英エコノミスト誌が日本の観光業について記事を書いていました。これからの観光業の行方について参考になると思いますので紹介します。

原文はこちら。The economy gets a boost from record numbers of visitors(日本経済、歴史的な外国人観光客増加で追い風(英エコノミスト誌)

かつて中国人なら一目でわかりましたが、最近の銀座にいる中国人観光客は、中国人とぱっと見ではわかりません。中国人観光客が日本で探し求めているものは4つあります。それはメーカー品の炊飯器、魔法瓶、セラミック製の包丁、それにウォシュレットのついた便座です。

日本を観光目的で訪れる中国人観光客は、2013年と比較すると80%増加したそうです。外国人観光客が増加した最大の理由は円安政策にあり、人民元に対して60%安くなったことが中国人観光客急増に拍車をかけています。

上海で買うより日本で炊飯器を買ったほうが安いくらい円安の影響が大きく、現在外国人観光客が日本で消費する額はおよそ2兆円。2012年と比べるとその額なんと2倍にまでなっているとか。

さらにビザの発給要件緩和が中国人観光客の増加に貢献しています。

しかし、外国人観光客は一方でトラブルも起こしています。例えば韓国人観光客は紳士服店で執拗に値引きを要求したり、中国人観光客は食べながら入店し食べた手で商品を触れたりなどトラブルが絶えません。旅館で中国人客が服を着たままお風呂に飛び込んだり、お風呂の中にシャンプーを入れ泡立たせたりしているという報告もあります。

しかし、英エコノミスト誌はそれでも外国人客の恩恵のほうが大きいと断言しています。外国人客の平均消費額は、ひとりあたり13万円。地方の観光地にとってかなり大きなビジネスチャンスになっています。(世界的な統計によるとオーストラリア人が最も消費します『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』より)

さらに外国人観光客はショッピング以上に日本の新鮮な空気と手つかずの自然に魅了されています。特に中国はひどい環境汚染のため日本が素晴らしく見えてしまいます。

日本政府が希望を込めて見ているのは、中国人観光客が日本人を驚きを持って見ていることです。つまり、日本人が中国のテレビに出てくる反日ドラマのようでなく、日本は良い国だという思い出を大陸に持ち帰っていっていることが、日本のソフトパワーになっている模様です。

現在観光業がGDPに占める割合は2.3%程度。日本のGDPが約500兆円なので観光業は現在11.5兆円ほどです。前述のデービット・アトキンソン氏は著書『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』の中で、日本経済の中で伸び代があるのは観光業で結論づけています。観光業は現在GDP比で2.3%ですが、世界平均は9%です。つまり33兆円の伸び代があります。ちなみに、日本の基幹産業のひとつである自動車産業の経済規模は55兆円です(観光業がGDP比で世界平均9%になると45兆円。)

GDPに占める輸出額は15%ほど。外国人をターゲットにした観光業は外需なので輸出にカウントされます。これから日本は外需主導型経済に移りつつあります。英語や中国語、その他外国語を使う機会も増えていくことでしょう。

日本政府が外国人を日本国内にあまり入れようとしなかった政策から俗に言うインバウンドを期待し外需を取り込む政策に転換したので、これから観光業が一大産業へ変貌する可能性があります。さまざまな文化的軋轢が生じることが予想されますが、少しずつ世界がわかっていき多様性を知るきっかけにもなり、新たな日本の夜明けになるのかもしれません。

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