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銃規制をしようにもできない銃社会アメリカの病理(英エコノミスト誌)

2015年8月9日
ジェットスターツアーズ

英エコノミスト誌にどうしてアメリカで無差別銃撃事件が絶えないのかについて書かれていました。そもそもの問題の根源である銃社会の深層がわかりましたので紹介します。記事を読んで銃犯罪のイメージが少し変わりました。ハリウッド映画の中で描かれる銃犯罪は、エスタブリッシュメントの願望が描かれているのかもしれません。

原文はこちら。A cousel of despair(銃社会アメリカの病理)(英エコノミスト誌)

アメリカ人が銃により死亡する確率はどの先進国よりも高く、2013年に21,175人が銃で自殺しています。そして、11,208人が銃犯罪で殺されています。銃による自殺と銃犯罪はほとんどの欧州各地域よりも高いです。無差別銃撃事件も多く、2000年から2014年までの間に133件の無差別銃撃事件が起きています。イングランドはたったの1件。

しかし、銃規制をしようとする動きはほとんどありません。コネチカットで起きた20人の子供と6人の学校スタッフが殺害された銃撃事件の後に、アメリカ議会が何回か銃規制をしようとする試みがあったもののすべて失敗に終わりました。

多くの州は、逆に銃規制を緩和しようとしています。テキサス州は、西部劇のカウボーイのように銃を腰に下げることを法的に認めました。カンザス州は、住民がライセンスを取得する必要がなく拳銃を隠し持てるように法案を通過させました。

銃を販売する際に必要になる購入者の身元調査や銃が製造された数を見る限り、銃の販売台数がほとんど過去最高を記録しています。

FBIのデータによると、2014年に2100万件の身元調査が行われていて、10年前と比べると860万件増加しています。これは、特にバラク・オバマが大統領に就任して以降急激に増加しました。

銃の販売台数が増える一方、シカゴ大学の調査によると銃を所持しているのは少数の人のようです。2014年、家庭の30%が銃を所持していて、10年前家庭の40%が銃を所持していた頃から10%落ちています。個人が銃所持する件数は2010年から2014年まで微増していますが、90年代と比べると激減しています。

この違いは、かつて銃所持の目的が趣味であったのが自衛のためになったことと関係があります。1977年の調査において32%のアメリカ人がハンティングに銃を使用すると回答していて、2014年までにハンティング目的に使用するのは15.4%に激減しています。

ギャラップ社の調査によると、2000年以降銃を所持することで身の安全を感じると回答した人が35%から63%に増加しています。度重なる銃撃事件により市民が自衛しようとする動きがあり、特に女性が射撃学校に通うこと多く、ライフルやショットガンよりもピストルがよく売れるそうです。

銃所持は、政治的かつ人口学的背景を示す格好のサインです。貧困層や大都市の住人、黒人、ヒスパニックが銃を所持する率は相当低く、一方、郊外や田舎に住む裕福な白人のほうが銃を多く所持する傾向があるというデータがあります。共和党支持者は、民主党支持者よりも銃を所持することで身の安全が高まると主張する傾向があります。特に2006年以降にこの違いが際立ち始めました。

大多数のアメリカ人は、銃を購入する人の身元調査をすることに賛成していますが、大抵の州の個人が経営する銃販売店は身元調査をしていません。

銃規制をしたほうが良いにもかかわらずできない理由は、銃が持つ「魔力」なのかもしれません。銃を所持すると安心感がハンパなく、一部の人が抱える不安が結果として銃犯罪を引き起こしているようです。不安になる原因そのものを解決することが銃社会のアメリカを変える唯一の方法なのかもしれませんが、度重なる銃撃事件がさらに不安を増幅させ、銃を規制するよりもさらなる銃社会を招く結果になっています。そして、無差別襲撃事件が起きるのが現代アメリカの病理なのでしょう。

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