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In Sumo’s Push for the Olympics, a Turn Away From Tradition(相撲をオリンピック競技種目に向けどすこい。伝統と決別し女子相撲へ)(NYタイムズ紙)

2015年6月10日

NYタイムズ紙が女子相撲を取り上げています。2010年の記事なので少し古い情報ですがが、昨今の女子相撲人気に加え、最も伝統的で男社会の角界に変革が起きたことからもわかる通り、変わらないと思いがちな日本社会も実は変わりうるということがNYタイムズ紙の記事を読んで分かりました。日本を海外から見る視点が新鮮であり示唆に富んでいますので紹介します。

日本の女子相撲界には超新星のアイドルが現れて現在かなり注目されています。アマレスから女子相撲の世界に魅了された野崎 舞夏星(のざき まなほ)さんがこれからの女子相撲を引っ張っていく存在かもしれません。写真はこちら。

原文はこちら。In Sumo’s Push for the Olympics, a Turn Away From Tradition(相撲をオリンピック競技種目に向けどすこい。伝統と決別する)(NYタイムズ紙)

世界に相撲を普及させようしてきた各界関係者の悲願は、相撲をオリンピック種目にすることです。世界相撲協会の新しい動きは、おそらく保守層を激怒させ多くの人を驚かせること間違いなしと言っても良いかもしれません。つまり女子相撲を公式に始めることです(2010年当時)。

角界関係者は長年相撲をオリピック種目にするよう活動してきましたが、国際オリンピック委員会が1994年に男女共に参加できるスポーツのみをオリンピック種目として認める声明を受け、長きに渡る伝統ある角界に変化の風が吹きつつあります。もちろん古代から続く伝統ある世界が変わるのは簡単ではありませんでした。最初の動きは日本国内からではなく欧州相撲連合の事務局長でありオランダ相撲協会会長のステファン・ガッド氏の提案からでした。

男子相撲が世界的に広まったのは1980年代。そして10年以上後の1996年に欧州で女子相撲が始まりました。欧州には格闘スポーツが男女共に盛んなことから相撲に対するステレオタイプもなく女性が相撲に参加しやすかったようでかなり上手くいったそうです。

日本では18世紀までは男性が見て楽しむ女性相撲があったのですが、次第に風紀上好ましくないという理由から禁止されていったとNYタイムズ紙は説明しています。

1996年に女性相撲協会が発足した頃は、女性が相撲をするなんてと日本の女性から見向きもされませんでした。記憶にあるのは、1992年に上映された周防正行監督、本木雅弘主演の『シコふんじゃった』の中で女性が相撲をするシーンがありましたが、軽く衝撃を受けてしまいました。同じように男性女性問わず相撲は男性がするものというステレオタイプが日本人の心に深く根付いているのでしょう。さらに土俵は神聖な場所で女性が触れると穢されるという信仰が、女性が相撲の世界から遠ざけられていた理由です。「特に角界において女性が相撲をすることなど豚を食べることを禁止しているユダヤ教のラビが養豚場のスポンサーになるようなものです。」とガッド氏は言う。

しかし、世界では女子相撲の人気が急上昇していて、一番の理由は格闘スポーツにもかかわらず押し合うだけで殴り合うわけではないという理由が人気の理由のようです。欧州では相撲奨学金があるほど女子相撲の認知度が高くなっているそうです。

女子相撲の良いところは、体重が重く大きな女性は他のスポーツをしたくてもなかなかできないのですが、相撲は自分がコンプレックスだったことが強みになるところが魅力のひとつです。

ガッド氏は、「相撲がオリンピック種目になるチャンスは日本が2020年にオリンピックを誘致する時です」と話すように、東京オリンピックで相撲がオリンピック種目になるのかもしれませんよ!

現在女子相撲に参加する圧倒的多数を占めるのは日本の女性ですが、メダリストは欧州勢がほとんどです。女子相撲の世界にすでにアイドル的存在の野崎さんがいるので、これからは女子相撲が熱いですよ!彼女は本当に強いです。

今回のNYTの記事を読んで思ったのは、角界という日本の中でも古いしきたりのある男性優位の社会にもグローバル化の波の影響が大きく及ぼしていることです。日本が体制を変革するのは国内からではなく海外、とりわけ欧米諸国の圧力があって初めて変わりうることがわかりました。女子相撲もある意味女性の社会進出の側面があり、それを後押ししたのが欧州相撲連合だったのが日本という国のあり方を示しているのかもしれません。

日本を変えたいと思う方は、国内から日本を変えるよりも欧米のメディアや政治家にロビー活動したほうが日本の体制に与える影響が大きいのかもしれません。日本は国際社会に認知されることが至上命題で認知されるために体制を変革するという流れが明治維新から続く「伝統」なのかもしれません。欧米列強に刺青、公衆での行水が「野蛮」と思われることを怖れた明治政府がこれらを禁止した思考が未だに続いているようです。現在ではさしあたり女性を社会進出させないのは「野蛮」と考えているのかもしれません。 

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