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中国の工場などの不良債権、ネットオークションに出品される(英エコノミスト誌)

2015年6月15日
ジェットスターツアーズ

英エコノミスト誌に中国の不良債権処理についての話があり、不良債権額について驚愕するとともに中国人のレジリエンスの強さを同時に感じました。中国人は転んでもただでは起きない人々だと改めて実感しました。日本で不良債権処理がバブル崩壊から20年くらいかかり解決したのですが、中国人のパワフルさと市場の力で意外とあっさり解決するかもしれません。

原文はこちら。The everything creditor(不良債権、ネットオーションに出品される)(英エコノミスト誌)

まず中国の不良債権事情を最も良く表す事例を紹介します。

カナダのグローブ・アンド・メール紙によれば、曹妃甸(そうひでん Caofeidian)工業区が中国の不良債権事情を最も表す街とのことです。北京から250キロ離れた天津の東に位置する曹妃甸は10年前までは浅瀬の広がる港町でした。開発が急激に進められた結果、鉄鋼業や発電所、石油精製所が軒を連ね日中産業パークもあるほどの街になったのですが、投資した5000億人民元(800億米ドル)の50%しか回収できていないそうです。これは氷山の一角に過ぎず中国全土で同様のことが起きていると推察されます。

投資をしても利益が上がらず債権を回収できず、2014年の段階で中国の銀行が融資した資金の20%が不良債権になっている現状があり、ロンドン、ボストン、香港に拠点を構えるPartners Capitalの試算によれば、2014年までに中国の銀行は117兆人民元(18.7兆米ドル)の債権を抱えてその額はGDPの260%にものぼります。

建設に投資した額の20%が回収不能になってしまうのが現在の中国の現状で、不良債権を抱えた中国の銀行は損失補填され、不良債権は資産管理会社(AMC)に丸投げされているのが現在の中国の現状です。

不良債権処理について英エコノミスト誌に書いてあり、面白いなと思ったのが不良債権処理が中国人らしくビジネス感溢れるやり方でした。不良債権を塩漬けにさせず「隠れ資産」として「先行投資」して買い上げ景気が良くなってきたら売るという方法です。

資産管理会社(AMC)は15年前に設立され、当初の目的は銀行の貸借対照表から不良債権を切り離す緊急措置のためでした。AMCは紙同然の価格の不良債権を売却し利益を上げるのに苦慮しましたが、景気が上向くと不良債権の工場が不動産として価値が出てくるなど資産価値が上昇しました。そのためAMCは不良債権を隠れ資産として着目し、景気が下振れしている時に将来利益の出る不良債権に目をつけ始めました。安く買った不良債権を阿里巴巴集団傘下のebayのような陶宝(タオバオ)というショッピングとオークションを兼ね備えたサイトに出品し、中には工場も「出品」されているとか。

昨年債権整理回収業務を担う資産管理会社のひとつの中国信達管理会社(Cinda)は1495億人民元(239億米ドル)もの不良債権を銀行、不動産デベロッパー、それに工業会社から買い上げ、それは2013年の3分の2の額におよびます。

あまり心地よくないデータですが、英エコノミスト誌の試算では、中国の銀行が抱える不良債権は2015年の3月までに9820億人民元(1571億米ドル)で3年前の2倍。これは全体の1.4%に過ぎないと言われています。つまり不良債権は70兆人民元(11.2兆米ドル)におよぶことが予想されます。

膨大な不良債権が山積みになっているとはいえ、中国人の考え方は政府に言われなくても勝手にビジネスを始めて利益計算もしっかりやって利益が出ないことを自分からあまりやりません。たとえ体制が崩れたとしても市場は残りその地で生活する人も残るので、中国的なやり方で不良債権処理もなんだかんだ言いながら塩漬けの土地にはならずに解決するのではないでしょうか。

戦後の日本は、戦前政府が発行した膨大な戦時国債が一瞬で紙くずになってしまったのに、いつの間にか世界でも有数の経済大国になりました。戦後から70年代までの日本には中国に息づいているようなどんな困難にも立ち向かう力強さがありました。中国人のレジリエンスを見習い、日本にも活かしていくと日本の未来も見えてくるのではないでしょうか。

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