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書評review

『7つの習慣』のエッセンスはempatheticでいること

2016年11月1日

The 7 Habits of Highly Effective People(以下『7つの習慣』)を読み終えて、想像以上に学ぶことが多く、少しずつまとめに入っています。『7つの習慣』はビジネス書ですが、スティーヴィン R. コヴィー(以下コヴィー博士)は、ビジネスにおいても友人間でも夫婦間でも、まず人の話を聞いて理解しようとすることがもっとも大切だということを強調されています。話を聞いて抱えている悩みや問題を解決することが人間関係を形成するうえで必要で、良好な人間関係があれば成果を出すことも容易になります。

『7つの習慣』のコヴィー博士が2011年に来日して講演された際、コミュニケーションに必要なものは何かと聞かれ、「共感すること、忍耐すること、自分と人を比較しないこと」と要約された方がいらっしゃいましたが、『7つの習慣』の原書を読み終えて「共感すること」はempatheticの誤訳で、実は「人の気持ちや痛み理解しようとすること」だったのかもしれません。ちなみに『7つの習慣』の原書にsympathyは一度も出てきません。

コヴィー博士は、人によって態度を変えたり人がいないところで悪口を言ったりするのはintegrity(一貫した統一性)がなく、すべての習慣のベースになるのは誠実さであると書いていたので、日本的な文脈の話を合わせる意の「共感する」はおかしいと思っていました。

コヴィー博士は、7つの習慣のなかでいちばん重要な習慣は、まず人の話を聴いて理解しようとすることだと強調されていたので、「共感する」はやはり誤訳かなと思います。6年経ってようやくわかりました。

A win-win relationship is done by empathetic people. It is imperative to first undersand others if you want to be understood.

Win-Winの関係は、相手の気持ちや痛みがわかる人によって築くことができるもの。理解されたいなら、まず自分が人を理解することが必要不可欠です。

ちなみに、empatheticのイメージは、宮沢賢治が雨ニモマケズの詩のなかで描いた感情です。人に寄り添って話を聞いて痛みを理解すること。

さまざまな英英辞典でempathyを引いてみてわかったのは、ロングマン英英辞典がもっとも具体的でした。「人の気持ちや抱える問題を理解すること」。次がコウビルド英英辞典がわかりやすく、「人の感情をあたかも自分のことのように感情移入すること」。それ以外の英英辞典は「共感」に近かったです。『7つの習慣』を読む限り、コヴィー博士はロングマンの定義に近い使い方をしていました。

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